これ、扇風機なのです。
dyson Air Multiplier

マイクロ・アドバタイジング-ダイソン

見ての通り羽がありません。

円柱状の基部にブラシレスモーターが組み込まれており、
下から吸い込んだ空気をリング状のエアフォイル周囲から
送りだす仕組みです。噴きだした流れは後方や側面の空気を
巻き込むことにより、エアフローを「15倍」に増幅します。


今年一番感動した製品です。
イノベーションの固まりみたいな製品ではないでしょうか。

ブレードがないことで
・指をつっこんで怪我しない
・ブレードがないため、風力のロスパワーが発生しない
・デザインに自由度がある
などなど


なにより、開発した段階でのチャレンジに感動。
世の中にない製品なので、
「羽がない?意味わからない」とか
「羽なくてどうやって風を送るの?」とか
「羽がないことを誰が望んでいるの?」とか

いろいろとネガティブ意見があったことを
想像してしまいます。

で、開発者の
「風を送って心地よい空間を作ることが目的なのだから
羽がなくたっていいだろう、コノヤロー」
というチャレンジ精神まで余計に想像してしまいます。

あと、サイクロンという既存のテクノロジを
横展開しているところもステキ。


これ、車でいったら
「タイヤがない」くらいのインパクトだと思うなー。

「移動したり、ドライビングを楽しむことが目的なのだから
必ずしもタイヤは必須ではない。」
という心意気で、次世代の車を開発している誰かがいっぱいいるとしたら、
少年時代に恋いこがれた夢の宇宙旅行も
僕が生きているうちに庶民価格となるのだろう。


・そりゃ無理っすよ~
・どうやって実現するんすか?
・過去にそのような例はないよ
とか言いがちな人には是非教えたい製品です。


今週の日経ビジネスに「東レ」の特集がありました。

東レもイノベーションの見本みたいな企業です。
航空機や自動車の多くのパーツが東レが提供する
炭素素材で作られていることをご存じでしょうか。

航空機は鉄で作らなければいけない
ことをイノベートしたすばらしい企業です。

後にユニクロの大ヒット商品「ヒートテック」も
炭素素材から生み出しています。

企業にとって(どれだけ小さくても良いが)イノベーションが
ないということは「ゆっくり死んでいく」ことを
意味するのだと思います。


当社も需要側の変化に敏感で、連続的変化が可能な
風土にしていきたいとつとに思いました。